古民家再生プロジェクト


 こんにちは。スタッフのゆきです。
不動産協会に所属していると、義務である法定講習からそうでない講習まで、
いろんな講習が受講できます。

 ZOOMの普及により、会場まで行かなくてもPC画面越しに受講できるので、
興味のある講習はガンガン受講しています。
 現代の深刻な問題、空き家問題に取り組んでいる方の講座が多いです。

 そのなかで印象的だった「ヤドカリプロジェクト」白坂設計士の
古民家再生プロジェクトで完成したお家の完成見学会が近日開催ということで、
実際古民家リフォームした建物がどんなものなのかこの目で見てみようと、行ってきました!
浜松の船明まで。新東名の新磐田ECが出来たといっても、なかなか遠かった~~。

 桜の名所といわれる、船明ダムの近くの古民家です。
母屋、渡り廊下、離れの3つに分かれた、大きくて立派な古民家です。


 千と千尋の神隠しのお宿みたいですね!立派です。
趣あっていいけれど、窓とか建具とか、このままじゃ冬の夜寒くない?って心配にもなります。
中ではオープニングイベントとして、雑貨や軽食販売のマルシェが開かれていました。

 マルシェが開かれている母屋と渡り廊下を抜けた先にある離れでは、ヨガ教室が開かれてます。


 このヨガ教室(ヒュッゲ・フェーミナ)の中田先生が、こちらの古民家の主です。


 古民家リフォームの依頼主の中田先生と、白坂建築士、工事担当の入政建築さんの
今に至るまでの古民家再生についてのトークイベントを聞いてきました。

 
 漠然と、自分のヨガスタジオを持ちたい、建物は古民家がいい、と思っていた中田先生が、
屋根しか見えない草ボーボー状態だったこの空き家と出会い、
元々のお知り合いであった白坂建築士の後押しもあり、
この空き家改修にふみきったお話し。
 大事なのは人との縁だと改めておっしゃってました。そうですよね~。
 自分がしたいと思った暮らしは実現できる。諦めないでほしい、ともおっしゃってました。
私もペットと暮らすマイホーム建築の夢追いかけようかな~。

 空き家改修あるある、壁や天井解体したら予想と違う問題のお話し。
天井はがしたら高さがありすぎて、計画していた耐震補強工事ではアカンとなったそうです。
工事担当のベテラン大工と、神奈川と浜松2拠点を行き来する多忙な白坂設計士との間をとりもった、
入政建築さんの苦労話…。あぁ、なんか、わかる…。
 本来自社設計で施工する入政建築さん、今回特別に他社設計の工事を引き受けたのは、
中田先生と白坂設計士ともともとお知り合いだったから。
やっぱり人とのつながり大事ですね。
建築費が抑えられたとおっしゃっていたのも、知り合い価格だったからというのが大きいでしょうね~。

 ベテラン大工さんといろいろ意見だしあったという玄関の耐震工事。
この筋交いに、なにやら技術の結晶があるらしい。
2級建築士の試験勉強したけれど、私実際の施工のことはまだわからないことだらけです。

 高さがありすぎてびっくりしたという天井。梁が太くて立派です。
配線むき出しや、土壁が一部剥がれてるのが気になりますが、
持主の中田先生は「これが味、このままがいい。」とあえて改修しないそう。
確かに、この古めかしさがいいのかも。

 壁の耐震補強工事をした箇所は、合板を貼って完成だそうです。
お店やスタジオのリフォーム工事となると、耐震よりも見栄えに予算をかけるお客様が多いけれど
中田先生は逆の考えでよかった、と白坂設計士がおっしゃってました。
壁紙貼るより合板の木の節がみえる方がお洒落でいいじゃんと思うのは、私だけ?

 この建物が母屋と離れでわかれていること、居住用でなくスタジオ用であることを活かし、
離れの建物だけ先に工事を行い、ヨガ教室をオープンさせて収入を得る。
将来母屋に住むことになるかもしれないので、
母屋は耐震だけでなく断熱工事もゆくゆく行っていく、
という白坂設計士の計画にびっくりしました。

 住宅工務店では建物全体の工事が終わってお引渡しが当たり前なので、
こういう分割計画はびっくりです。
 スタジオである離れの冬の夜の寒さが心配でしたが、
事業用であれば昼間のあたたかい時間だけ開店するって割り切れば、
断熱工事に予算つぎ込まなくてもよいのかも。
 最初に工事代金全額用意しないで、
事業スペースだけ先に完成させて、収入得ながら少しずつ居住スペース工事を行う、
という選択肢もあるって知って驚きです。

 中田先生は現在は離れたところに住まわれているので、
毎日のように古民家の様子見にこれないし、
住んではいないけれど町内会の行事には参加したい、回覧板どうしようかというお話しが、
リアルな問題だな~とひしひし感じました。

 古民家のお隣さんが、
トラブルが起これば写真送って教えてくれたり、
看板飛ばされてたら直してくれたり、回覧板とばしてまわしてくれたり、
本当にいいひとでよかった~、といっていました。
 マクスの社長も
「土地選びで何よりも重要なのは、価格でも大きさでもなく、隣人です。」
って断言してますからね。お隣さんとの相性、重要です。

 お隣さんだけでなく町内の人たちみんな空き家がどうなったのか気になっていたので、
ヨガ教室以外にも開かれた場となったことは嬉しいし、
草ボーボーで地震が来たらかんたんに倒壊しそうだった空き家が、
頑丈になってまた誰かに受け継がれていく家になるのが地域に住んでいる人のためにもなる、
という白坂設計士の言葉に感銘を受けました。

 理想の暮らしを実現するのは、新築に限った話だけではないかもしれません。
とりあえずリフォームしたら面白くなりそうな古民家を探そうと思いました。