きょうのきんぎょ~5ばん~「塩浴治療」

 まだまだ書きます、スタッフの金魚日記。今日は金魚の効果的な治療法、塩水についてです。

 金魚が元気ないとき、怪我や皮膚病になった時、軽度のものであれば、塩浴治療が効果的です。
濃度0.5%の塩水は、金魚の浸透圧と同じなので金魚には居心地がよく、
また、塩が金魚の皮膚についた細菌を弱らせたり、古い皮膚の脱皮(ターンオーバー)を早めたり、
とにかくお手軽で効果的な、昔からいわれている治療法なのだそうです。

 ウチの金魚の一匹が、お尻(しっぽの付け根)のあたりに血がにじんでいるのを確認。

 この子は太りぎみで、さらに水面パクパクして空気を食べる癖があるので、
水面にお尻を出して浮かんでいることが多いです。
(お腹のガスがいっぱいでうまく沈めないみたい。)
水面に出た部分は乾燥するので、乾燥で皮膚が切れたり細菌が繁殖しやすくなります。
「背やけ」というそうです。

 まだ初期症状なので今手を打とう!と、この子だけ隔離しての塩浴治療を決意。
(メインの水槽に塩を入れるのは機械が壊れる原因になるのでやめたほうがいいです。)

 まず、カルキ抜きした水に塩を入れて、塩水をつくります。
2Lペットボトルいっぱいに対し、小さじ2杯(10g)です。
塩は、天然でにがりの入っていない「あらしお」です。
裏側の用途蘭に「鯉池」とも書いてあったので、きっと効果てきめんなはず。

 メイン水槽のほかに水槽がないので、梅干しつくる大瓶を使いました。
ミニサイズのぷくぷく入れて、酸素供給とろ過も行います。
いきなり塩水にドボンといれるのはよくないので、まずは今泳いでいる水槽の水をいれ、
金魚を移し、スポイトで水を排出し、同量の塩水をいれ、
ということを時間をかけて繰り返し、1時間くらいかけて徐々に塩水にならしていきます。

 
 全量塩水になったかなというころ、元気がよくなるどころか、元気がなくなってきました。
今までヒーターで25度に固定された温かい水から、
いくら塩水とはいえ冷たい水道水(薬でカルキ抜き)でつくった水になったので元気がなくなったことに気づきました。
金魚はまわりの水温が低くなると、消化機能が下がり、動きもにぶくなります。

 こっちの塩水も水温あげないといけません。
でもヒーターは1個しかなく、壁面に横向きで吸盤でとりつけるので、
丸い形の瓶にはとりつけられません。

 とりあえず、新しく入れる塩水を温めることに。

水槽の中、ヒーターちかくに塩水のはいったペットボトルを投入。
あたたかい水温が伝わり、塩水もあたたかくなってくれるはず。
塩水にはバクテリアが住めないので、かなりこまめに水替えしないといけません。
一日でまるまる全量交換するくらいが目安だそうです。これがけっこう大変です。

 あたたかい塩水を維持させるために、ホッカイロ貼った布で巻いてみたり、
貼らないホッカイロを瓶にあてて布で結んで固定させたりしました。
熱が逃げないよう、厚手のタオルでくるんで、夜も遅くなったので就寝しました。


 次の日の朝、心配でドキドキで早く起きて見にいってみました。
そしたら水面にお腹をむけて、ひっくり返って浮かんでいる!
治療のつもりが殺してしまった!っとびっくりして瓶をゆすってみたら動きだしました。
お腹のガスが重すぎて、この姿勢が寝やすくなってしまったのかも…。
あたためた塩水を入れたら少しは元気になりました。

 ホッカイロがつめたくて、全然役目をはたしていませんでした。
かなり古いホッカイロだったこともありますが…。

 なんとかして、外からでなく中から海水あたためないといけないと考え、
自立型の試験管をもらったことを思い出し、そのなかに熱湯をいれ、試験管ごと瓶の中へ投入。

 熱湯もすぐ冷めるので、塩水をこまめに入れ替えるのと同時に、熱湯も交換。
熱湯入り試験管をいれたのち、フンを出して、ようやく元気が出てきました。

 塩浴治療中はエサを与えません。
金魚はエサなしでも1週間くらい生きていけるそうです。
今回の背やけは太りすぎによることもあるのでダイエットです。
背やけのもうひとつの原因、水面パクパクも、この瓶のなかではしませんでした。
断食で痩せてたまったガスを出して、なおかつ水面パクパク癖が治らないと、
またお尻がうかんで背やけしてしまいます。
その治療でもあるので、エサはあげず、でも塩水と熱湯の交換をこまめに替えて看病です。

 金曜の夜に塩浴治療開始し、土日と看病しました。
日曜日の夕方にみると、お尻の血のにじみは消えていました。
塩浴治療終了します。
平日の仕事がはじまったらこまめに水交換なんてできないので、土日で直ってよかったです。

 今度は逆に、塩水を抜いて、同量の水槽の水をいれます。
水温も同じにしてあげないといけません。
袋のなかに塩水と金魚を移し、袋ごと水槽に浮かべました。
袋ごしに仲間と感動の再会です。

 また時間をかけて全部が水槽の水になり、30分くらいして水温も同じになったら、
やっと金魚をもといた水槽に戻します。

 網で金魚だけすくってまわりの水を入れないほうがいいのですが、
網がないのでおたまですくいます。金魚すくいですね。
 
 水槽にもどしてショックをうけることなく元気に泳いでいたので、一安心です。
環境がかわっていろいろびっくりしたはずなので、明日の朝もエサは控えます。
夜から少量、エサ1粒ずつから様子をみて、もとの生活リズムにもどして完治です。
塩浴につかったぶくぶくは、分解してよく洗い、乾燥させてからしまいます。

 こまめな水替えが大変でした。せっかくの土日休みが看病で疲れました。
治療用のミニ水槽とヒーターあるといいですね。