不動産物件は値切り交渉できるの?
不動産業者の仲介手数料
不動産業の仕事は大きく2つに別れます。
1. 不動産業者自身が直接物件を売る
2. 不動産業者が売りたい人と買いたい人の橋渡しをする
2を、「仲介」と言います。
仲介手数料は、「上限」が決まっています。
仲介手数料の値引きは、知り合いとかでないかぎりは、慣習的にほぼ有りません。
そして仲介手数料は、売買契約成立した場合にやっともらえる、成功報酬でもあります。
成立するまでは1円も入りません。
物件価格(税抜)が400万円超えの場合の仲介手数料は、
【物件の金額の3%+6万円】+消費税が、上限として決まっています。
(ちなみに、物件が200万円未満の場合は
【物件の金額の5%】+消費税、
物件が200~400万円の場合は
【物件の金額の4%+2万円】+消費税 です。)
一人の同じ不動産業者が、売りたい、と言う人のために、買いたい、という人まで見つけてくると、
売り主買い主双方から仲介手数料をもらえるので、6%+12万+消費税 になります(400万円超え物件の場合)。
当たり前のことですが、業者は少しでも手数料を多く欲しいのです。
仮に、あなたが不動産業者だったら…
1,500万円の土地の売却仲介を受けたとします。
仲介手数料は、
1,500万 × 3% + 6万
ですから、51万円+消費税=561,000円です。
でも、売り主・買い主、両方からもらえたら、1,122,000円となります。
費用を払って広告など打たず、一人で売り主・買い主の仲介をすれば、この金額がまるまる手元に入ります。
業界用語で「両手」と言いますが、この両手が欲しいので、情報を広く告知せず、自分だけの力で物件を売ろうとします。
しかし、有料のインターネットサイトなどに登録せずに物件を売ろうとしても、なかなか買い主が見つからないのが厳しい現実。
告知をみて他の不動産業者が買い主を探してきてくれた場合、交渉成立で売り主からのみ仲介手数料もらえる「片手」になります。
なかなか連絡こないから片手でもいいやと、毎月数万円かけて有料サイトに登録したとします。
それでも一向に連絡が無いと、月日の経過につれて広告費用だけがかさみ、物件は売れないまま、
成功報酬は入らないまま、業者としては焦りますね。
そこに、「1000万円に値下がりしたらその土地買いたい」という個人の方から連絡が入ったとします。
(流石に値切りすぎです。あくまでも仮定のお話です。)
元の金額(1500万円)の両手の成功報酬は1,122,000円。
本当はこの金額が欲しい。
でもこの金額では一向に買い主は現れなかった。
それに広告費を払っているので、早く現金が欲しいというのも本音。
そのお客様は、不動産業者を介さない個人の方なので、交渉成立すれば両手の成功報酬額が入ります。
物件価格が1000万円に値下がりしたとしても、不動産業者の手元に入る金額は、792,000円です。
330,000円下がりますね。
もし今後、他の不動産業者が元の金額(1500万円)で買うという買い主を連れてきてくれたとしても、
成功報酬は片手になり、561,000円。
561,000円もさがってしまいます。
500万円もの値下げに応じたとしても両手の方が、元値の片手の成功報酬より、不動産業者の手元に入る金額は高いのです。
もしあなたが不動産業者だったら、売り主に値下げを説得する可能性大ではないでしょうか。

つまり、不動産取引において、値引きの余地は大いにあるのです。
しかし、【土地価格1500万円のところ、saleで1000万円】のような、
二重価格表記は「宅地建物取引業法」で禁止されています。
でも、実際には売るためにやりたい。
【価格応談】
という表記を見たことありませんか?
値引き交渉に応じますよって、不動産業者側が言ってるのです。
応談と書いて無くても、絶対に値引きできないってわけでもないのです。
長い間売れていない土地、分譲地でも売れ残っている土地は、値引き交渉の余地ありです。