土地調査

 新たに土地を購入する際は、真っ当な不動産屋さんであれば法的な情報はきちんと知らせてくれますので、まず問題ありません。

 建て替えなどで親の土地に家を建てる場合、
その土地にどんな問題があるのか、
そもそも建てることが出来るのか、
これをしっかりと調べないと、後でとんでもないことになる場合があります。

 土地は法務局で「公図」や「登記簿」を取って調べます。
ですがこの公図は、正確な土地の形を表すものではありません。
精度区分というのがありまして、古い土地ではこの精度区分が低いものが一般的です。
平気で1mや2mは違っています。

 土地や河川などによって区切られた区画を「こんな形に…」みたいな、
いい加減な線を引いて筆を分けてしまったためです。



 例えばこちら。

 真ん中は公図では水路敷なのですが、水はありません。
公図だけを見ると、水路の巾は2m以上あります。
もちろん、水路の上に建物を建ててはいけません。

 もうひとつ、国の土地「官地」。この官地が、土地と土地の間に至る所にある場合があります。
どう見ても個人の土地に見えても、公図では官地、これ、非常によくあります。
もちろん、官地も家は建てられません。


 でも、はたして、水路や官地の正しい位置は…?

 
 実は…そんなもの無いです。

 正確に測量されている土地を除き、隣接する所有者(国や自治体や個人を含む)間で、「ここにしましょう」とするわけです。
その前提として古い測量図や地図などを調べたりもするのですが、基本はこれ(↓)。

 複雑な場合はこんな機械を用いて、土地家屋調査士に敷地の現況を調べてもらったうえで、
「公図と照らし合わせて、ここが敷地境界と考えるのが妥当」
として、建築確認申請を提出します。

 建築確認申請は、あくまでその土地に図面通りの家を建てて良いかどうかを判断するものです。
土地の境界を確定させるものではありません。

 そして、公図の精度が悪くても、最低限、公図から読みとれる巾は官地として見ましょう、という暗黙のルールもあります。
土地の調査とは、なかなかやっかいなものです。