うなぎの寝床のプランニング
土地の安さにつられてウナギの寝床状の細長い土地を購入しようか迷っている方へ、
土地が小さければ建物も小さくなり建築費が安くなる(坪単価×床面積=低額)と思っている方へ、
今回はウナギの寝床状の土地に家を建てる場合のプランニングをしてみました。
このような土地の場合です。まずは駐車スペースを確保。
車は1台が限界ですね…。
奥の人が立っている場所を奥庭みたいにしたいので、建物をもっと道路側に寄せたい。
ビルトインガレージにしてみましょう。
道路と反対側に、広い箱庭が確保できました!
でも、道路側から見てみると…
車庫を作るために、1階の間口に全く壁が作れません。
耐震上、これは深刻な問題です。
狭小敷地や車庫などの専用建材・工法が開発されていますので耐震性を担保することは可能ですが、
当然それはコストに跳ね返ります。
ビルドインガレージは諦めましょう…。
今度は日当たり・窓についてプランニングしましょう。
耐震性は考慮しないで、もしこんなふうに窓を設けたら、日当たり良好ですね!
窓からの太陽光のおかげで、冬は暖かい家(暖房代がかからない家)でもあります。
逆をいえば、夏の冷房代はスゴいことになります。
南側に窓をたくさん作れば暖かい家が作れそうですが、隣家が問題です。
ウナギの寝床状の土地がある地域にありがちなケース、周囲も皆ウナギの寝床状。
南にも北にも、ぴったり家が…!
そうなると、どうなるでしょう。
冬の正午の太陽のシミュレーションをしてみると、全く部屋に日があたっていません…。
これでは寒いし、そもそも窓から見えるのは隣の家の壁。こんな間取り、ありえない…。
なんとかしてこの様な敷地でも採光を確保できないか?
建物の中央を凹ませて、そこに窓を配置してみました。
おぉ!これなら、2階には太陽が降り注いでくれる!
冬の時期だと1階には直射日光は入りませんが、春や秋には1階にも陽がさしますし、
直射日光が無理でも間接的に部屋を明るくすることは可能です。
注意しなければいけないのは、
真四角の広い敷地に四角で整形の建物を建てる場合と、
作業車両の駐車も困難な狭小敷地に凸凹形状の建物を建てる場合とでは、
同じ床面積でも建築費は『全く』異なります。
坪単価では全然検討ができない、ということです。
そもそもこの間取りでいいのか、予算は足りるのか、土地を買う前に、
設計士に相談してプランニングをしてから土地購入を検討しましょう、というお話でした。